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5月に入り、今年も球磨川沿いのツクシイバラ自生地の、かわいいピンク色の花たちが見頃を迎えたようです。

ここ2年ほどのコロナ騒ぎの影響で、ちゃんと訪問できていなかったツクシイバラ自生地。

(実を言うと、こっそり一人で行ってたんですが、時節柄ブログに書くのははばかられたのです・・)

今年はようやく規制もゆるくなりはじめ、以前のように楽しい野外活動が出来そう。


もちろん多人数が集まる室内などでは、まだマスクなどの感染対策は必要だと考えます。

法的な区分がどう変わろうと、コロナウイルスが消えてしまったわけではありませんからね。

今後は個々が自分や周囲の人々の健康を律するフェーズに入った、と言えるでしょう。



それでは準備万端整えて、今年も球磨川目指して、レッツゴー!

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晴天に恵まれた5月の日曜日、一路人吉方面を目指して愛車を走らせます。


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県境をトンネル内で越え、熊本県へ。

ここからは道も下り坂に転じます。


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国道219号から球磨川にかかる木綿葉(ゆうば)大橋を渡り、高台へと向かいます。

いつもなら球磨川沿いの空き地などに車を停め、積んできた自転車で散策するところですが、今回はちょっと変わった趣向を用意しました。

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はい、本日の第一目的地に到着!


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ここは、錦町立人吉海軍航空基地資料館。

通称「にしき ひみつ基地ミュージアム」です。



旧日本海軍の飛行場跡に建てられた、当地が辿った戦争の歴史を詳細に展示してあるミュージアム。

建屋内には貴重な資料や、土中から発掘されたらしき零戦の本物のパーツ類、そして野外展示の地下工場跡など・・

以前、当ブログでも、開設して間もない頃に訪ねた事があります。




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今回訪ねた目的は、ここで最近始まったレンタサイクル。

周辺に点在する歴史遺構を自分の脚で訪ねる目的のほか、高台から下って球磨川沿いまで足をのばすなど、ちょうど河川敷のツクシイバラが見頃を迎えるこの時期、格好のサイクリングベースとなってくれるはずです。

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料金は2時間500円、4時間1,000円。

1日(9:00〜17:00)借りても1,500円とリーズナブル。

しかも電動アシスト付きなので、意外と高低差のある周辺の散策にはぴったりでしょう。


このミュージアムから、今回の最終目的地であるツクシイバラ自生地までは往復10km少々といったところなので、一番短い2時間コースにしてみました。

もし多少オーバーしても、あとで延長料金(30分ごとに250円)を足せばオーケーです。

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受付で手続きを済ませ、利用者カードを受け取ります。

運転中はこいつを首から下げておけば、なくす心配もありません。

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電動アシストはオートマチック、ロング(エコ)、パワーの3モード。

のんびり走るのならオートで十分、航続距離もロングで50kmくらいあるので、電池切れの心配はありません。

試しに電源スイッチを切って走ってみましたが、昔の電動アシストと違ってセンサーギアによる回転抵抗でペダルがめっちゃ重くなるような事はなく、ごく普通の小径自転車として走れました。


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ちなみに今回は、ちょっとした追加装備を用意してあります。

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いつも使っているGPSサイクルコンピュータを、ゴムバンドで脱着自在なマウントでレンタサイクルに装着。





これで速度計としての役目はもちろん、走行距離や時間、高度、おおまかな気温、そしてGPSによるルートマップまで作成出来る・・という寸法。

本体のみで作動し、特別なセンサー類を必要としないGPSサイコンならではの楽しみ方と言えるでしょう。




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さて、サドル高を合わせ、安全装備を身につけたら、いよいよ出発です!

※私の場合、自分用のヘルメットを持って行きましたが、備え付けのものもあります。もちろんヘルメットもレンタル料金に含まれます。

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ミュージアムを出て、交差点を曲がり、球磨川の河川敷を目指します。

このあたりは昔に飛行場があったくらいなので、周辺よりも標高の高い台地になっているため、川岸まで降りるには長い下り坂が。

涼しい風の吹く木かげを縫いながら、のんびりと進みます。

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この日は雲がほとんどない晴天。

5月とはいえ、もう夏の空気がいっぱいです!

途中の自販機やコンビニに寄って、水分補給も忘れずに。

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木上(きのえ)小学校を過ぎて最初の信号交差点に、ツクシイバラの看板が。


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自生地はここから右に入ります。

あともうすぐ!


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この先にある「球磨大橋」で球磨川の向こう岸に渡るのですが、実はこの橋、昨年の台風14号による大雨増水で橋桁が沈下し、なんと路面が”く”の字に折れ曲がってしまい、しばらく通行止めになっていたのです。

それが最近ようやく仮橋が完成したそうなので、ひとつ渡り初めと行きましょう。

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川の中央くらいまでは旧来の橋がそのままですが、途中から真新しい舗装とコンクリ構造が見えてきます。


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歩道と車道は完全分離され、少々狭いですが安全に渡っていけます。

しかし本当にきれいに、破損箇所を平行に避けて作られていますね。往年のスパ・サーキットにあったバスストップ・シケインみたい(笑)。

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ここが問題の沈下部分。おお〜、確かにポコっと落ちています。

橋の破損箇所がこんなに間近に見れるなんて、ちょっと珍しいのでは?

無傷の本体部分を生かした仮橋の架け方からして、おそらく今後も橋全体を新しく架け替えるのではなく、ここだけ補修してゆく予定なのかもしれませんね。

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さて、球磨大橋を渡り切ったら、ツクシイバラ自生地はもう目の前です。

坂を降りて、河川敷に設けられたサイクリングロードに入って行きましょう。

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さて・・今年のツクシイバラはどうでしょう?

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まだ蕾も目立ち、全体的に八分咲きといったところでしょうか。

私的にはちょうどいいタイミングかなって思いました。

ツクシイバラは花の香りが強く、満開になるとサイクリングロードを走っているだけで花の香りのシャワーを浴びているような気にすらなるのですが、その香りのせいかどうか、すぐ虫が寄ってきてボロっちくなってしまうのです。

なので、咲き始めから今くらいがちょうどいいのでは・・と思っています。


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去年も少し感じたのですが、雑草の勢いが強めで、せっかくの株が埋もれて見えてしまう場所が散見されました。

いつもは地元の保護グループのみなさんがシーズン前に下草を刈ってくださるのですが、近年は人手が足りていないのかもしれないですね。

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球磨大橋から少し言った先の広場にはテントがあって、地元の方が手ずからのおもてなしをしてくださっています。


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Tシャツやマグカップなどのグッズもいっぱい。

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今年はTシャツと手ぬぐい、そしてマグカップを1つ買わせていただきました。

ツクシイバラの絵の入ったマグカップ、我が家には以前買ったのが2つあって、毎日愛用しています。


くまモン先輩、こんな所にも(笑)。

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おもてなしのメインは5月28日で、ミニコンサートも予定されているようですね。

阿蘇を拠点に活動するデュオグループVIENTO、以前握手してもらった事があります。





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さて、レンタサイクルのリミットタイムまでは・・あと20分。

ここからミュージアムまでは約5キロ、自転車のペースではちょうどいい頃合いでしょう。

名残惜しいですが、そろそろ帰るとしましょう。

また来年も可憐な花が見られますように・・。


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ところで、先に書いたとおり、ひみつ基地ミュージアムは台地部分に建っています。

行きは爽快な下り坂を楽しめましたが、帰り道では当然、逆方向に上って行かなくてはなりません。

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この向こうに見えるのが大地の部分で、正面はほぼ火山灰土質の崖になっています。

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望遠レンズで見るとこんな感じ。

正面には、航空機搭載用の魚雷兵器を製造・調整してしたという地下施設の入り口が見えています。

ミュージアムでは、ここに直接入ってガイドさんが説明してくれるツアーもやっています。

参加者はミュージアムからここまで階段で往復するのですが、百段以上もあってなかなかの難敵。

その高低差を、これから自転車で上がるのです・・。


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とは言っても、そこは電動アシスト付きのありがたさ。

普通に漕ぐだけで、グングンと坂を上がってくれます。これは楽ちん!

私も次に買うなら、電動アシスト付きの折りたたみ車にしようかしら・・?

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あっという間に坂の終わりに・・。

交差点の向こう側に停まっている車の屋根すら見えないほどの勾配をものともせず、我が電動アシスト車は無事、急坂を上りきりました。

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「お疲れさまでした〜、今日は暑かったでしょう!」

係の方に笑顔で迎えられ、自転車を無事返却。

いやぁ、楽しかった!また乗りたいですね。


このレンタサイクル、全部で4台しかないので(2023年5月21日現在)、気候のいい日には争奪戦になるかも?

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時刻はすでにお昼過ぎ。

今日の昼食はミュージアム併設のレストランで。

窓の向こうには、ミュージアムに近年設置された九三式中間練習機・通称「赤とんぼ」の原寸大模型がドーンと見えています。


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”海軍基地”なのですから、ここはやっぱり海軍カレーといきましょう。ヨーグルトつきで1,300円。

コクのあるキーマカレーが、空きっ腹に沁みわたります・・。

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帰りに人吉海軍印の懐かしいビー玉式ラムネを買いました。

戦争当時にもラムネは普通にあって、兵隊さんも好んで飲んでいたのだとか。

しかし現代人の私にとって、ラムネ瓶を開けるのは何年ぶりか・・

付属のプラ栓を当てて、指でグッと押し込んだら、意外とあっさり開栓できました。

昔はもっと力任せにバシバシ叩いていたような・・?


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このラムネはミュージアムのおみやげコーナーに置いてあります。

飲みながら帰りたい、と言ったら冷蔵庫にある冷えたのを出してくれました。

うむ、うまいっ!


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帰り道、人吉市内でふと通りかかった酒屋さんの駐車場に、見事なツクシイバラの花が咲いているのを見つけました。

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自生地に咲く野生のツクシイバラもいいですが、こうやって手入れが行き届いた株は花の色がいっそう鮮やかでいいですね。


野草としては希少種とされるツクシイバラですが、実は普通に市販もされており、このように民家の庭先に植っていたり、苗は楽天などの通販で手に入れる事も出来ます。


私もひとつ買って、庭先でツクシイバラを育ててみようかしら・・?

でもうちの庭は日陰が多いから無理かも・・

(了)